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真空ポンプって何?搭載されている装置と修理・メンテナンス方法

真空ポンプとは?基本的な仕組みと用途

真空ポンプは、気体を吸引することで密閉空間内の圧力を大気圧以下に減圧する装置です。真空包装、食品・医薬品製造、半導体製造など、様々な分野で重要な役割を担っています。

真空包装や食品包装、製薬業界や半導体製造など幅広い分野で活用されています。食品包装においては、ロータリーベーンポンプが使用されています。

真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)の仕組み

真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)は、容積型ポンプ(流体を一定量ずつ押し出す方式のポンプ)の一種であり、気体・ガスの圧縮および輸送に広く利用されています。

ポンプ部の主要部品

・ステーター:円筒状の固定外殻で、ポンプの本体を形成します。

・ローター:ステーター内部で偏心(中心をずらして)回転する円柱状の部品です

・ベーン:ローターに装着された複数の羽根状の板で、半径方向に自由にスライドします。

    ローターが回転すると、遠心力(回転する物体が中心から外側に向かって受ける力)によりベーンがスライドしてステーター内壁に密着します。この過程で、隣接するベーン間に形成される空間(セル)の容積が周期的に変化します。これにより、以下の3つの過程が連続的に行われます

    ・吸引:セルの容積が増大する際に気体・ガスを吸い込みます。

    ・圧縮:セルの容積が減少する際に気体・ガスを圧縮します。

    ・吐出:圧縮された気体・ガスを排出口から押し出します

    真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)の主な特長は以下の通りです

    ・高い容積効率:理論上の吐出量に近い実際の吐出量を実現します。

    ・安定した吐出量:脈動(流量や圧力の周期的な変動)が少なく、安定した性能を発揮します。

    ・コンパクトな設計:小型で設置場所を取りません。

    真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)を搭載している装置

    ロータリーベーンポンプは、食品包装用装置に搭載されています。真空包装を行い、食品の鮮度を保つ事に貢献しています。さらに、真空生成が求められる多様な装置やシステムにも幅広く採用されております。

    ロータリーベーンポンプを搭載した代表的な装置です。

    ・医療機器: 手術中の吸引や医療廃棄物の処理用の装置として、手術室や病院の真空システムに使用されています。

    ・研究所設備: 科学研究や実験室で使用される分析機器のバックアップシステムとして、活用されています。

    ・産業用機械: 自動車産業や製造業においてコーティング工程などの装置に組み込まれています。

    真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)のメンテナンスと修理方法

    真空ポンプ(ロータリーベーンポンプ)の日常のメンテナンスと修理方法を紹介します。

    日常的なメンテナンス 

    • 運転音の確認
    • オイルのレベルとよごれ具合チェック

     修理・メンテナンス 

    メンテナンス作業としてはオイル交換、フィルターの清掃・交換、そして定期的なオーバーホールがあります。

    • オイル交換

    通常年に1回程度実施します。交換時には、ポンプを停止して10〜20分冷却した後、古い油を完全に排出し、新しい油を適切なレベルまで補充します。この際、必ず同種の油を使用してください。

    • フィルター交換

    吸気フィルターを定期的に点検し、必要に応じて清掃または交換します。フィルターの目詰まりは、ポンプの効率を低下させる原因となります。

    • 修理・オーバーホール

    メーカーや使用状況、運転時間によって異なりますが、1〜2年を目安に実施します。ポンプからベアリングの「カラカラ」と異音が発生したり、規定の真空圧到達に時間がかかるようになる、もしくはオイル交換後も性能が改善しない場合は、オーバーホールを行うことをお勧めします。オーバーホール時には、ベアリングやオイルシールなどの摩耗部品を点検し、必要に応じて交換します。

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